ここではまず食生活の影響について解説していきたいと思います。なぜならば、遺伝的な要素があるとしても、それが確実に低身長の原因になっているとは限らないからです。
むしろ、成長期に十分な栄養を与えられなかったなどの理由で、本来はもっと身長が高くてもおかしくないのにもかかわらず低いまま育つ、といったケースも多く見られます。
そのため、もしご両親が高身長だとしても必ずしも低身長である必要はなく、逆に両親ともに低身長であっても平均よりも高い子もいるでしょう。
ちなみに、よく言われることですが、両親の身長が高い場合は子供も高い確率で高くなる傾向が見られますが、反対に両親が低くても子供が低い場合もあり、遺伝だけですべてが決定してしまうわけではないようです。
睡眠時間が短いことによる弊害 それでは最後に睡眠時間が少ないことによって起こる悪影響についても見ておきましょう。例えば、夜更かしをしているとか、寝る直前までテレビを見たりゲームをしたりしているといったことが挙げられます。こうしたことも、成長ホルモンの低下を招いてしまいます。なぜなら、眠る時間帯というのは昼間に受けたダメージを回復させるために必要な時間でもあります。このタイミングでしっかりと睡眠をとることで、身体は修復されていくのです。ところが、早く寝ようとすればするほど眠りにくくなってしまうため、結果として寝不足になり成長ホルモンの分泌が低下してしまうことになります。さらに、寝ている間には体温を下げないようにするために汗をかきます。これが大人であれば問題ありませんが、子供の場合には発汗が上手くできず、脱水症状を起こしやすい状態になってしまいます。そうなると、水分補給が必要になってきますが、夜中に目が覚めてしまった場合などは眠れなくなるだけでなく、喉が渇いているために余計にイライラしてしまい、悪循環に陥ってしまうのです。
ここまで読んでいただいて、もしかするとこう思った方も多いかもしれません。もしかしたらうちの子は本当に低身長なのかもしれない、と……。
確かに、実際に低身長と診断された方はいらっしゃるかもしれませんが、だからといって必ず低身長であるというわけではありません。低身長にはいくつか種類があることをご理解いただけましたか? ただ、中には病気が原因のこともありますし、単に成長期だからという理由だけではありません。たとえば、甲状腺機能亢進症(バセドウ病)という病気があります。これは小児期の発症が多く、治療が必要な疾患です。
この病気の場合、成長ホルモンの分泌を促す薬を飲むのですが、その際に副作用として成長ホルモンが増加してしまうことがあります。つまり、通常の人よりもかなり早い段階で成長ホルモンが出すぎてしまい、その結果、成人しても背が伸びないという状況を引き起こしてしまうことがあるのです。
食生活の影響について