今朝、クローゼットから大切なダウンジャケットを取り出して、ふと首周りを見てため息をついた。気がつけば、汗や皮脂で黄ばんできている。三年前、妻と一緒にセレクトショップで吟味して購入した思い出の一着だ。当時は「この値段で?」と躊躇したものの、着心地の良さと上質な雰囲気に惹かれて決めた投資だった。
休日のショッピングや出張先での相棒として、もう何百回着ただろうか。着るたびに「買って良かった」と実感してきた一着だけに、この黄ばみには心が痛む。普段なら近所のクリーニング店にお願いするところだが、今回ばかりは躊躇った。「もし失敗されたら…」という不安が頭をよぎる。
ネットで「高級ダウン クリーニング」と検索してみると、「ひらいしや」という専門店が目に留まった。モンクレールやカナダグースなど、ハイブランドのダウンジャケットを専門に扱うクリーニング店らしい。実際の利用者のレビューを読んでいくと、「プロの仕事」「安心して任せられる」といった好意的な声が目立つ。ひらいしやのレビュー記事はこちら
ただ、料金を見て少し迷った。近所のクリーニング店の倍以上はする。妻に相談すると「それだけ大切にしている服なら、信頼できるところに任せた方がいいんじゃない?」と背中を押してくれた。確かにその通りだ。このジャケットとはまだまだ長く付き合っていきたい。
宅配での依頼は初めての経験だったが、手続きは意外とスムーズだった。専用の集荷キットが届き、丁寧な案内に従って梱包するだけ。仕上がりまでは少し時間がかかるようだが、それも丁寧な作業の証だと思えば、むしろ安心感がある。
昨日、やっと発送までこぎつけた。集荷の担当者が「大切な物をお預かりします」と丁寧に受け取ってくれたのが印象的だった。仕事柄、スーツのクリーニングには慣れているが、こんなに慎重に判断したクリーニングは初めてかもしれない。
考えてみれば、40代になって物への向き合い方が変わってきたのかもしれない。若い頃なら「まあいいか」で済ませていたことも、今は慎重に選択するようになった。良いものを長く大切に使う。そんな当たり前のことが、年齢を重ねるごとに身に染みて理解できるようになってきた気がする。
仕上がりまでの間、クローゼットにぽっかりと空いた場所を見るたびに、少し落ち着かない気持ちになる。でも、クリーニングから戻ってきた時の、あの清潔な手触りと香りを想像すると、今から楽しみでならない。きっと、新品の時のような輝きを取り戻して戻ってくるはずだ。そして、また新たな思い出を重ねていけることだろう。時には、こうして大切なものにお金と手間をかけることも、人生の楽しみのひとつなのかもしれない。
愛着あるダウンジャケットをクリーニングに出す決断